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マレーシア移住 費用

マレーシア移住の費用|初期費用の内訳と、必要な貯金額の目安

最終更新日:2026-08-07

「マレーシア移住にいくら必要か」という質問への答えが人によってバラバラなのは、費用を1つの数字で語ろうとするからです。実際には、渡航前に消える費用、渡航時に一度だけかかる費用、そして毎月出ていく費用の3種類があり、それぞれ性質が違います。この記事では3段階に分けて実額を積み上げ、最後に「貯金がいくらあれば動けるか」を世帯別に示します。

費用は3段階に分けて考える

移住費用を見積もるとき、最も多い失敗は「月の生活費×12か月」で計算してしまうことです。この計算では、渡航直後に集中する一時費用が抜け落ち、着いた瞬間に資金が足りなくなります。

正しい分け方は次の3つです。①渡航前費用(ビザ・航空券・準備)、②着地費用(住居の初期費用・家具家電・生活立ち上げ)、③ランニング(毎月の生活費)。このうち②が最も見落とされやすく、かつ金額が大きい項目です。

そして③については、収入が入り始めるまでの期間分を「生活防衛費」として別枠で確保する必要があります。就労ビザで渡航しても給与の初回入金までタイムラグがあり、フリーランスや無職での渡航ならなおさらです。

①渡航前費用:ビザの種類で大きく変わる

渡航前にかかる費用は、取得するビザによって桁が変わります。

就労ビザ(Employment Pass)の場合、申請費用は原則として雇用主が負担します。本人の負担は、パスポート更新、健康診断、書類の翻訳・認証程度で、数万円に収まることが多いです。

DE Rantau(デジタルノマドパス)は、MDECのポータルから本人が申請します。申請費用そのものは高額ではありませんが、収入証明の準備(契約書・送金履歴の整備)に手間がかかります。処理期間は6〜8週間程度とされるため、渡航予定日から逆算して申請してください。

MM2Hは別格です。定期預金がUSD建てで、シルバーでUSD150,000。加えて参加費(シルバーRM1,000〜プラチナRM200,000)と、MOTAC認可エージェントへの代行手数料がかかります。さらに物件購入義務があるため、渡航前に動かす資金は数千万円規模になります。

教育ルートの場合は、学校の出願料・入学金がここに入ります。学校によって幅がありますが、入学金だけでRM5,000〜20,000程度を見込む必要があります。

①渡航前費用の目安(ビザ別)
項目就労(EP)DE RantauMM2Hシルバー教育ルート
ビザ申請関連雇用主負担が中心数万円参加費RM1,000+代行手数料学生パス申請費
資金拘束なしなし定期預金USD150,000なし
学校費用出願料・入学金 RM5,000〜20,000
その他準備パスポート更新・健康診断・書類認証など数万円同左同左+物件購入義務同左
小計の目安5万〜15万円10万〜20万円2,000万円超+物件20万〜80万円

②着地費用:最大の山は住居の初期費用

渡航後、最初の1か月に集中する費用です。ここが移住費用の中で最も大きな山になります。

住居の初期費用が中心です。マレーシアの賃貸契約では、前家賃1か月+デポジット2か月+公共料金デポジット0.5か月、合計でおおむね家賃の3.5か月分を契約時に支払います。家賃RM4,000のコンドミニアムならRM14,000(約55万円)。家賃RM2,000の物件でもRM7,000(約27万円)が必要です。なお本記事の円換算は1リンギット=39円(2026年8月時点の実勢)で計算しています。

救いは、マレーシアの賃貸は家具・家電付きが標準であることです。ベッド、ソファ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン、電子レンジまで備え付けの物件が一般的で、日本のように家具家電を一式買い揃える必要はありません。それでも寝具、調理器具、日用品で10万〜20万円程度は見ておいてください。

そのほか、航空券(片道2万〜8万円/時期による)、超過手荷物または引越し便、SIM契約、銀行口座開設、健康診断、そして車が必要なエリアなら車両の手配が加わります。

②着地費用の目安(クアラルンプール/1RM=39円換算)
項目単身(家賃RM2,000想定)家族4人(家賃RM5,000想定)
賃貸初期費用(家賃3.5か月分)RM7,000(約27万円)RM17,500(約68万円)
寝具・調理器具・日用品RM1,500(約6万円)RM4,000(約16万円)
航空券3万〜8万円12万〜32万円
超過手荷物・引越し便5万〜15万円15万〜40万円
SIM・口座開設・健康診断等RM500(約2万円)RM1,500(約6万円)
小計の目安約43万〜58万円約117万〜162万円

③ランニング:収入が入るまでの生活防衛費

毎月の生活費については別記事で世帯別に詳しく試算していますが、費用計画の観点では「何か月分を先に持っていくか」が論点になります。

目安として、単身のローカル寄りの生活で月RM4,050前後(約16万円)、夫婦で中間的な生活なら月RM8,900前後(約35万円)、インター校に通う子供2人の4人家族で月RM20,300前後(約79万円)です。

就労ビザで渡航する場合でも、初回給与の入金までは1〜2か月かかることが一般的です。加えて、渡航直後は生活が定まらず想定外の支出が出るため、最低3か月分、できれば6か月分の生活費を生活防衛費として別に確保してください。

収入の当てがない状態で渡航する場合は、この生活防衛費が実質的な移住可能期間になります。半年で仕事が決まらなければ帰国、という前提で予算を組むのが現実的です。

総額:貯金がいくらあれば動けるか

①②③を合算し、世帯別の必要額を示します。ここでは生活防衛費を6か月分として計算しています。

この表の数字は「これだけあれば安全に動ける」という水準です。生活防衛費を3か月に切り詰めれば下限は下がりますが、その分だけ帰国リスクが上がります。

MM2Hを選ぶ場合は、これに定期預金USD150,000(シルバー)と物件購入資金が乗ります。物件は印紙税8%を含む初期費用が物件価格の約9〜10%かかるため、RM100万の物件なら諸費用だけでRM9万〜10万を別途見込んでください。

移住に必要な貯金額の目安(生活防衛費6か月分を含む/1RM=39円換算)
世帯渡航前+着地費用生活防衛費(6か月)合計の目安
単身・就労ビザ約48万〜73万円約95万円約143万〜168万円
単身・DE Rantau約53万〜78万円約95万円約148万〜173万円
夫婦約88万〜133万円約208万円約296万〜341万円
家族4人(インター校あり)約137万〜242万円約475万円約612万〜717万円
MM2Hシルバー上記+定期預金USD150,000+物件購入同左数千万円規模

見落とされやすい費用

最後に、試算から抜け落ちやすい項目を挙げます。

第一に医療保険です。マレーシアの公的医療は外国人には実質使えず、民間医療が前提になります。非市民の民間医療サービスには6%のサービス税も課されます。年齢と補償内容により月RM200〜800を見込んでください。MM2Hでは60歳未満に加入が求められており、制度上も前提とされています。

第二に教育費のサービス税です。2025年7月1日以降、年間RM60,000を超える学費部分には6%のサービス税が課されます。学校が提示する学費は税別表示が一般的なため、年RM80,000の学校なら実際の負担はRM84,800になります。

第三に日本側の費用です。住民票の転出、健康保険・年金の手続き、日本の住居の解約または維持費、日本に残す資産の管理コスト。特に日本の家を残す場合、その維持費が毎月の固定費として乗り続けます。

第四に帰国費用です。移住がうまくいかなかった場合に帰るための資金を、生活防衛費とは別に確保しておくことを強くおすすめします。片道航空券と当面の生活費で、最低30万〜50万円は手をつけずに残してください。

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出典

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よくある質問

マレーシア移住に必要な貯金はいくらですか?

生活防衛費6か月分を含めた目安は、単身の就労ビザで約143万〜168万円、夫婦で約296万〜341万円、インター校に通う子供2人の4人家族で約612万〜717万円です(1RM=39円換算)。MM2Hを選ぶ場合は、これに定期預金USD150,000(シルバー)と物件購入資金が加わり、数千万円規模になります。

賃貸の初期費用はいくらかかりますか?

おおむね家賃の3.5か月分です(前家賃1か月+デポジット2か月+公共料金デポジット0.5か月)。家賃RM4,000なら約RM14,000(約55万円)。マレーシアの賃貸は家具・家電付きが標準のため、日本のように家具一式を買い揃える必要はありません。

生活防衛費は何か月分必要ですか?

最低3か月、できれば6か月分を推奨します。就労ビザで渡航しても初回給与の入金まで1〜2か月かかることが一般的で、渡航直後は想定外の支出も発生します。収入の当てがない状態で渡航する場合、この生活防衛費が実質的な移住可能期間になります。

家具や家電は持っていくべきですか?

基本的に不要です。マレーシアの賃貸物件は家具・家電付きが標準で、ベッド、ソファ、冷蔵庫、洗濯機、エアコンなどが備え付けられています。持参が必要なのは寝具、調理器具、日用品程度で、単身ならRM1,500前後を見込めば足ります。

学費以外に教育費でかかるものはありますか?

2025年7月1日以降、年間RM60,000を超える学費部分には6%のサービス税が課されます。学校の提示額は税別が一般的なため、年RM80,000の学校なら実負担はRM84,800です。このほか出願料、入学金(RM5,000〜20,000程度)、制服、スクールバス、課外活動費が別途かかります。

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